ゆったりとしたオーバーサイジングなシルエットで、こなれ感あふれるマリンルックにアップデートしてくれるボートネックTシャツ。細ピッチのボーダー柄が新鮮で、カジュアルになりすぎず上品な大人っぽさを漂わせます。

太めのボーダーピッチで程よい存在感を放つショートスリーブカットソー。ややゆとりのあるボックスシルエットと短めの丈感がバランスよく、トレンド感たっぷりなカジュアルスタイルを演出します。

最初は1950～1970年代まで、クレージュ、ディオール、シャネルなどのジャケットやコートを展開する高級婦人服の工場でした。ですが、時代の流れとともにフランス製の高級服が売れづらくなり、一般の人々に向けてマリンニットやボーダーカットソーの展開を始めたのがきっかけです。

Le minorの工場はフランス北西部のブルターニュ地区を拠点にしているのですが、海軍基地が近くにあったので1970年代から海軍用のユニフォームを担当することになり、2010年まで生産を続けていました。

“Le minor”というブランド名は創業者のマリー＝アン・ルミノア（Marie-Anne Le Minor）のファミリーネームから来ており、ココ・シャネルならば「シャネル」、 ティエリ・エルメスならば「エルメス」といったように、フランスの歴史あるメゾンブランドはクリエイターの名字をブランド名に反映しているので、Le minorもそのようにして名づけられました。

もともと僕とシルバンは2012年から“LE FLAGEOLET”という、蝶ネクタイや靴下など小物を扱うブランドを立ち上げていました。その商品の中の1つであるニットキャップの生産依頼をきっかけにLe minorの前オーナーに出会い、そこから2年ほど彼女と一緒に仕事をしました。

LE FLAGEOLETを展開していたときから製品に対して専門的な知識を持つ職人さんたちとずっとやりとりをしており、僕たちは本格的なものづくりに取り組んできました。その時点でLe minorのニットやカットソーはすでに有名で、工場としての役割だけでなくファッションにおいてもブランドネームが浸透していました。 僕たちは小物アイテムの展開にとどまらずレディースをメインとするモードの方にも進出したかったので、Le minorの工場に興味を持ちました。

一般的には全工程をフランスで生産することは難しいため、創業当初からずっとMade in Franceのものづくりを貫いていることにも魅力を感じていました。前オーナーと仕事をしていくうちに僕たちは親交を深め、彼女が定年を迎えるタイミングでLe minorを引き継いでくれる人を探していることを耳にして会社の買取に至りました。

Le minorはカジュアルなカットソーアイテムの展開だけでなく、最近はモードな雰囲気も目指しています。日本においては「Le minor＝カットソーブランド」という印象が強いですが、カットソー以外のトップスやアウターなども取り扱っており、実は全体の50％以上のシェアをニットが占めているんです。100年前からモードのブランドとして始まっているので、いま一度原点に戻り、今後はモードブランドとしての役割を果たしていきたいと思っています。

Le minorは全てMade in Franceなのが、他のボーダーブランドと1番の大きな違いです。昨年ブランド100周年を迎えましたが、Made in Franceを守り続けてきた長い歴史をこれからも継続していきたいので、新しい人材を育て、若者にもターゲットを向けて新しい製品を作っていきたいですね。

海軍の制服で使われていた伝統的なラッセル編みがカムバックしています。あとはデザイン性のあるカットソーも人気です。最近はパブロ・ピカソが着ていたイレギュラーストライプのボーダーカットソーをイメージした“Pablo”というモデルがトレンドで、フランス・ヨーロッパ全体で売れています。

もともと海軍の制服は体にぴったりしたフィットでしたが、時代とともにデザインを変えており、現在は定番モデルをラインナップするクラシックラインと年2回発表するコレクションラインの2軸で色んなバリエーションを展開しているんです。

スタイリングはもちろんカジュアルなデニムにも合うし、クラシックなパンツやジャケットと合わせるのも良いですね。Le minorは少しゆったりとオーバーサイズにデザインして作っているので、BIG Tシャツのようにラフに着るのがおすすめです。